【サワダコラム】
みなさん、こんにちは!
ライコウの澤田です!!
ライコウのみんカラブログで 【サワダコラム】 というコーナーを設置し、私サワダが普段から感じていることなどなどを個人的主観も交えながら書かせていただくコーナーです。
主にコーディング施工やメーカーオプション後付装着など、ライコウが携わっている業務に関する内容で書かせていただきます。
今回は、
【再コーディング施工後 iDriveが動作不良!?(後編)】
です。
昨日の【再コーディング施工後 iDriveが動作不良!?(中編)】の続きになります。
前編はライコウでのコーディングのやり方をお伝えした内容
中編は現状把握からISTA-Pによるプログラミング作業完了までの内容
をお伝えしてきました。
後編ではISTA-Pによるプログラミング作業を完了して症状は治ったのかなど、その後を紹介いたします。
まずは今回の事例を確認します。
2020年にコーディング施工でご来店。
一般的なコーディング施工を10項目程度。
その後、コーディング施工内容とは全く別の内容でナビ(CIC)が故障してしまい、ディーラーでナビ(CIC)交換、そしてプログラミング作業が実施。
そのため、以前に施工したコーディング内容がリセットされてしまい、再コーディング施工でご来店。
再コーディング施工以降、
・iDriveメニューの一つがグレーアウトして選択できない。
・iDriveメニューで設定値を変更しようとiDriveダイヤルを回しても動作しない項目が2つ存在する。
といった現象が発生。
ご来店いただきおクルマの症状を確認してようやく内容を把握。
・症状その1
iDriveメニューの【トランクリッド】内でテールゲートの開口角度が調整できる項目がありますが、iDriveコントローラーのダイヤルを回しても開口角度の調整ができないことが確認できました。
・症状その2
iDriveメニューの【車両情報】の【トルク配分】がグレーアウトしてしまい、選択することができないことが確認できました。
・症状その3
iDriveメニューの【エアコン】内の【運転席ベンチレーション】と【助手席ベンチレーション】を選択して、ベンチレーション温度が調整できる項目がありますが、iDriveコントローラーのダイヤルを回してもベンチレーション温度の調整ができないことが確認できました。
原因の追究をはじめる前に仮説を立ててみる。
・コーディング施工が起因している → コーディング内容を元に戻してみる
・プログラミングが起因している → プログラミングしてみる
・iDriveコントローラーダイヤルが故障している → ダイヤルを交換してみる
・個々のECUが故障している → ECUを交換してみる
立てた仮説に従って作業を進めていきます。
一つ目の仮説のコーディング内容を元に戻してみるを実施。
30個あるECUの中から、6つのECUをコーディングしていましたので、その6つのECUのコーディング前のバックアップデータを使用してコーディング前の状態に戻しました。しかし、症状は変わりません。
次に、コーディングソフトを使用して、ECUのコーディング部分の初期化を行なってみます。それでも症状は変わりません。
次の仮説へとステップを進めていきます。ISTA-Pによるプログラミングを実施。
再コーディング施工の直前にディーラーにてCICの交換修理とプログラミングが実施されていました。ひょっとしてそのプログラミングが完全ではなかったのかという想定でプログラミングを実施する考えに至りました。
ディーラーさんに再プログラミングを依頼するのもタイミングが合わないと日数がかかってしまうので、リスクを承知でライコウでのプログラミングを行なうことを決意。
希望のプログラミングモードの選択では【完全プログラミング】を選択。
可能な限りすべてのECUのプログラミングが実施されるように選択しています。
ISTA-Pで車両に搭載されているECUのツリーリストを見ても、ほとんどのECUでプログラミングとコーディングが実施されることが確認できます。
【P】がプログラミング、【C】がコーディング。
プログラムのデータレベルは、ディーラー修理のプログラミング時と同じでした。
もう、新たにプログラミングのデータが開発されていないようです。
ISTA-Pがプログラミングの準備を終えて、さあプログラミング開始です。
約2時間の長丁場、ISTA-Pの指示に従いながらプログラミング完了を待ちます。
プログラミングやコーディングの中断も発生せず、ISTA-Pでの作業が無事に完了。
そして、ISTAで車両診断を実施。
エラーなど残っておらず、プログラミングまでは無事完了しました。
ISTA-Pによるプログラミング作業を完了して症状は治ったのか!?
早速、動作チェックを行なっていきます。
・症状その1 → 解消!!
iDriveメニューの【トランクリッド】内でテールゲートの開口角度が調整できる項目で、iDriveコントローラーのダイヤルを回して開口角度の調整ができるようになりました。
・症状その2 → 解消!!
iDriveメニューの【車両情報】の【トルク配分】が表示されるようになりました。
・症状その3 → 解消!!
iDriveメニューの【エアコン】内の【運転席ベンチレーション】と【助手席ベンチレーション】を選択して、ベンチレーション温度が調整できる項目で、iDriveコントローラーのダイヤルを回してベンチレーション温度の調整ができるようになりました。
やったー!動作不良だったすべての項目が復活!!
ECUやパーツなどの故障が原因では無かったことで一安心です。
だが、まだ安心はできません。
そう、コーディング施工が残っています。
もし、再コーディング施工して再び動作不良が発生してしまったら、動作不良の根源はコーディングだったことになります。
再コーディング施工を躊躇っていても仕方が無いので、作業を進めていきます。
茶々ッと再コーディング施工完了。
動作チェックする前にISTAで車両診断を実施。
エラーは出ておらず、さあ恐る恐る動作チェックを行なっていきます。
・症状その1 → コーディング施工は影響ナシ!!
iDriveメニューの【トランクリッド】内でテールゲートの開口角度が調整できる項目で、iDriveコントローラーのダイヤルを回して開口角度の調整ができます。
iDrive画面で調整した開口角度でテールゲートがオープンしてくれます。
・症状その2 → コーディング施工は影響ナシ!!
iDriveメニューの【車両情報】の【トルク配分】が表示されています。
・症状その3 → コーディング施工は影響ナシ!!
iDriveメニューの【エアコン】内の【運転席ベンチレーション】と【助手席ベンチレーション】を選択して、ベンチレーション温度が調整できる項目で、iDriveコントローラーのダイヤルを回してベンチレーション温度の調整ができます。
念のため、いろんなiDriveメニューも動作するかのチェックを行ないました。
ドアロック後、半日程度経過後の完全スリープからの動作チェックも行ないました。
すべてにおいて、コーディング後の動作が問題ナシでした!!
コーディングの影響ナシ!!を証明できました!!!
ってことは、何が原因だったの???
ECUやパーツなどは故障しておらずコーディング施工も影響が無いことから、あくまで推測になってしまいますが、CIC交換時のプログラミングで完全プログラミングが出来ていなかったのでは?と考えます。
部分的なプログラミングによって、CICは動作するもののECU間の整合性が取れてなくて動作不良に繋がったのではないかと思われます。
ディーラー修理がどのような修理方法だったかは、資料などが残されてないと確認できませんので、現状との突合せはできなさそうに思われます。したがいまして動作不良の真の原因を突き止めることはできませんが、無事に動作不良が治り、ご要望のコーディングも実現でき、ホント良かったです。
再コーディング施工後 iDriveが動作不良!?を3回に分けてお伝えいたしました。
クルマに異常が出ると、【コーディングしてるから】って安易に言葉を発するディーラーの一部の営業マン?一部のメカニック?がいらっしゃいまして、それを聞いたお客様からご意見をいただくことがあります。
私自身は釈然としない言い掛かりに聞こえる内容がほとんどのため、今回と同様の取り組みを行なってきて、数多くのコーディングによる故障という冤罪を晴らしてきました。
「コーディングしてもらって愛車が壊れた」っていう冤罪を作らない取り組みの一つとして、【サワダコラム】 にて様々な事例をお伝えしようと思っています。
今後も不定期な情報発信にはなりますが 【サワダコラム】 にて普段から感じていることなどなどを個人的主観も交えながら情報をお届けいたします。