BMW 4シリーズ(F32) ディスプレイが頻繁にNO SIGNAL表示する不具合を原因追究して修理

頻繁にディスプレイがNO SIGNALとなってしまう不具合でご来店です。
ヘッドユニットの不具合を想定していましたが、現車を拝見しての挙動や診断機の情報から別に原因があると究明。
ヘッドユニットの交換では無く違う内容で修理を行ないました。
今まで培った経験やスキルによって短時間で原因究明から対処までを完了させています。

BMW 4シリーズ(F32) ディスプレイが頻繁にNO SIGNAL表示する不具合を原因追究して修理

車両情報

車種BMW 4シリーズクーペ ( F32 ) 420i
初年度登録2015年
都道府県埼玉県

ディスプレイが頻繁にNO SIGNAL表示する不具合の修理作業

ディスプレイが頻繁にNO SIGNAL表示する

ディスプレイがNO SIGNAL表示となってしまう症状が多発してヘッドユニットの交換でご来店いただきました。

車両を購入して約4年が経過していますが、2年前くらいからディスプレイがNO SIGNAL表示となることがあり、その後復旧するので様子を見る状況でしたが、最近は頻繁にディスプレイがNO SIGNALとなってしまうようです。

ご来店時はNO SIGNALと表示されることなくディスプレイには情報が表示されていました。

ご来店時はNO SIGNALと表示されることなくディスプレイには情報が表示

ナビゲーションの地図も表示されています。

ご来店時はNO SIGNALと表示されることなくディスプレイには情報が表示

ディスプレイがNO SIGNAL表示される原因調査

ディスプレイがNO SIGNAL表示される原因として最初に疑うのはヘッドユニットの不具合です。
そこで専用診断機にてエラーを記録していないかのチェックを行ないます。

専用診断機にてエラーを記録していないかのチェック

ヘッドユニットにはエラーが記録されておらず、グリーン表示となっています。

ヘッドユニットには問題が無さそうな状態です。

次はヘッドユニットからディスプレイまでのケーブルの状態を確認するためにヘッドユニットを取り外してみます。

するとディスプレイに繋がっているケーブルが純正品で無いことを発見!

お客様からは地デジチューナーやAVインターフェースは接続していないとお聞きしていましたが、ケーブルを辿っていくとAVインターフェースが見つかりました。

ケーブルを辿っていくとAVインターフェースを発見

中古車を4年前に購入されたんですが、それ以前にAVインターフェースが取り付けられていたようです。

この状態ですので取り付けられているAVインターフェースの不具合の可能性が浮上してきました。

再度、お客様にヒヤリングしてみるとディスプレイがNO SIGNALとなっててもオーディオは鳴っていたそうです。
ヘッドユニットの不具合でディスプレイがNO SIGNALとなった場合、オーディオは鳴りません。
ってことはAVインターフェースの不具合で間違いなさそうです。

この状況をお客様へお伝えして、AVインターフェースを取り外すことになりました。

取り外したAVインターフェース及び配線類は下の画像です。

取り外したAVインターフェース及び配線類

地デジチューナーはすでに取り外された状態でした。

車内を見渡しても地デジのフィルムアンテナが貼ってあった痕跡はありませんでしたので、前オーナーが車両売却時に地デジチューナーだけを取り外したのだと想定されます。

ヘッドユニットからディスプレイに純正のケーブルを挿し直して作業は完了です。

エンジンを始動させディスプレイの表示状態を確認します。

エンジンを始動させディスプレイの表示状態を確認

ナビゲーションやオーディオやバックカメラの動作チェックを行ないましたが、ディスプレイはNO SIGNALと表示されることはありませんでした。

ナビゲーションやオーディオやバックカメラの動作チェック
ナビゲーションやオーディオやバックカメラの動作チェック
ナビゲーションやオーディオやバックカメラの動作チェック

ディスプレイがNO SIGNALとなってしまうと、バックカメラの映像が見れなくなって非常にお困りでしたので、これで安心して乗車していただけます。

お客様はヘッドユニットの不具合によるトラブルだと思っておられましたが、ヘッドユニットは問題無く取り付けられていたAVインターフェースの不具合だと原因を究明して対処しました。

今回は、ヘッドユニットの交換修理では無く、原因を究明して対処した修理でしたので、多めの作業時間とはなりましたが、今までに培った経験やスキルにより早期の原因究明が出来たことで2時間程度で修理は完了できました。

ディスプレイのNO SIGNAL表示の原因は、ヘッドユニットだとは限らない!?

ある日突然不動となってしまうヘッドユニット。
ヘッドユニットが不動になってしまう原因は大きく挙げて3点です。

  • ヘッドユニットのプログラム不良
  • ヘッドユニット内部のショート
  • ヘッドユニット内のハードディスク不良

しかし、ディスプレイがNO SIGNAL表示になってしまう原因として、ヘッドユニット以外に起因する事例があります。

  • TVキャンセラーなどの社外部品不良
  • 社外部品の配線不良
  • ヘッドユニットに接続している配線不良
  • ヘッドユニット以外のECU(コンピューター)の不具合

など、BMW & MINI専門店のライコウではヘッドユニットが不動になった数々の原因を経験してきました。

ディスプレイのNO SIGNAL表示はヘッドユニットだとは限らないんです。

BMW & MINI専門店のライコウでは、事前に中古のヘッドユニットをご用意してご来店までに設定など修理作業を完了させていますが、ご来店いただいた際は、まず現車を拝見してヘッドユニットの症状確認から作業をはじめます。

ディスプレイのNO SIGNAL表示の原因がヘッドユニットとは違う部分だった場合、ヘッドユニット交換という見当違いの修理を行なわない為です。
ヘッドユニット以外に原因があった場合は、ヘッドユニット交換は行なわず、不具合個所の修理作業でディスプレイのNO SIGNAL表示が復活してくれた事例をBMW & MINI専門店のライコウでは経験しています。

ISTA診断機だけでは見えないところを、実際に症状を見て、今までの経験による知識を活かして、適切な修理作業を行なうよう心掛けています。