
BMW 3シリーズ(F30)のヘッドユニット画面がブラックアウトした際の修理方法を詳しく解説。
地元ディーラーでもヘッドユニットの故障と診断結果は出ていますが、実際に症状を確認してヘッドユニットの故障と判断されたので交換修理を行ないました。
中古ヘッドユニットの取り付け手順や注意点を紹介します。

車両情報
車種 | BMW 3シリーズセダン ( F30 ) 320d |
初年度登録 | 2013年 |
都道府県 | 香川県 |
ヘッドユニット修理方法:画面ブラックアウトの対処法
画面ブラックアウトの症状
ご来店いただいたBMW 3シリーズセダン ( F30 )に搭載されているヘッドユニットは第3世代 ( NBT ID3 )になります。
2012年から2015年の車両に搭載されているナビユニットです。
ある日突然の画面ブラックアウトが発生しました。
ナビゲーションやバックカメラが表示されないだけでなく、ゴング音やラジオなどのオーディオも鳴ってくれません。
この状態だとドライブでストレス溜まりまくりで精神不安定状態に陥ってしまいます。
ヘッドユニット故障の原因
事前に地元のBMW正規ディーラーで診てもらった状況ではヒューズは切れておらずヘッドユニットが故障しているとのことでした。
具体的にヘッドユニットがどのような状態になっているかを専用診断機を使用して確かめます。

専用診断機のコントロールツリーではヘッドユニットとメーターパネルが赤色となっており通信できていませんでした。
ディフェクトメモリーにもヘッドユニットとメーターパネルが通信不能と記録されています。

専用診断機の診断結果だとヘッドユニットとメーターパネルの両方に問題があるように見えてしまいます。
BMW専門店のライコウが今まで培った経験で判断しますとヘッドユニットのソフトウェア不具合によって故障しており、メーターパネルは問題ナシとして修理を始めます。
修理方法は、中古ヘッドユニットを活用して交換修理になります。
修理手順
ご来店までに中古ヘッドユニットの設定作業
ご来店いただくまでに中古ヘッドユニットに各種設定を行ないます。
まだご来店いただいてませんので車両には装着できません。
そのため専用ツールを使用して机上で設定作業を行ないます。
- 中古ヘッドユニットに入っている車台番号や認証コードなどを一旦初期化
- 修理作業で取り付ける車両の車台番号や認証コードをインストール
- ヘッドユニットのプログラムを最新バージョンへバージョンアップ
- ナビ地図データを最新バージョンへバージョンアップ
- ヘッドユニットを2時間程度稼働させる
中古ヘッドユニットには装着されていた時の車両情報がメモリされています。
車台番号やオプション装備に適した認証コードが入っています。
その状態でヘッドユニットを移植しても不整合が発生して中古ヘッドユニットは正常な動作を行なってくれません。
修理させていただくBMW 3シリーズセダン ( F30 )向けに設定作業をする必要があります。
ヘッドユニットの交換作業
文鎮化してしまったヘッドユニットを取り外して、設定済みの中古ヘッドユニットへ交換します。
そして、エンジンを始動させて交換したヘッドユニット( NBT ID3 )が起動するかのチェックを行ないます。
修理後の動作確認
交換した中古ヘッドユニットが起動したので様々な機能を動作確認します。

交換したヘッドユニットの動作確認も徹底しています:
- FM/AMラジオやCD/DVDプレーヤーの動作確認
- USB、Bluetooth接続のテスト
- ナビゲーションシステムの起動と現在地の確認
- バックカメラ映像の表示確認










交換したヘッドユニットは最新バージョンへプログラミングを行ない、地図データも最新版へ更新しています。
社外地デジチューナーも純正ディスプレイに表示され音声が出ていることも確認しています。

最終的に専用診断機でエラーがないことを確認して作業完了です。

修理費用とアフターサポート
ディーラー修理では約40万円の費用がかかりますが、ライコウでは中古品を活用し、コストを半額以下に抑えています。さらに、修理後の保証期間も6か月設定しており、安心してご利用いただけます。
また、ヘッドユニット不具合はヘッドユニットだとは限らないんです。
ヘッドユニット以外に起因する事例は下記のとおりです。
- TVキャンセラーなどの社外部品不良
- 社外部品の配線不良
- ヘッドユニットに接続している配線不良
- ヘッドユニット以外のECU(コンピューター)の不具合
ヘッドユニットが不動になった数々の症状を経験してきました。
事前に中古のヘッドユニットをご用意してご来店までに設定など修理作業を完了させていますが、ご来店いただいた際は、まず現車を拝見してヘッドユニットの症状確認から作業をはじめます。
ヘッドユニットの不具合の原因がヘッドユニットとは違う部分だった場合、ヘッドユニット交換という見当違いの修理を行なわない為です。
ヘッドユニット以外に原因があった場合は、ヘッドユニット交換は行なわず、不具合個所の修理を行なうことで数多く復活させてきました。
専用診断機だけでは見えないところを、実際に症状を見て、今までの経験による知識を活かして、適切な修理作業を行なっています。