BMW F31 ブラックアウト|ヘッドユニット通信不能エラーを確認

BMW F31 320dで画面ブラックアウトと音声不良を診断。現車確認とISTA診断でヘッドユニット故障を特定し、中古ユニット交換へ。

車両情報

車種BMW 3シリーズツーリング(F31) 320d
初年度登録2013年
都道府県神奈川県

BMW F31で発生した画面ブラックアウトと音声不良の症状

神奈川県内からご来店いただいたBMW 3シリーズツーリング(F31・前期・320d)で、画面が完全にブラックアウトし、さらにゴング音やラジオなどの音声も鳴らない不具合が発生していました。
お客様としては「突然画面が真っ暗になり操作できなくなった」「音が一切鳴らなくなった」という不安を抱えてのご相談です。
このような症状はFシリーズBMWで時折発生するトラブルであり、特に2010年代前半の前期モデルでは報告が増えています。

まずは現車確認を行い、症状を実際に再現。やはり画面は無反応のまま真っ暗で、操作を試みても反応なし。
音声も出力されず、ゴング音やラジオ再生が不能な状態でした。
画面表示と音声が同時に不具合を起こしている場合、原因はヘッドユニット(NBT)の内部故障が濃厚となります。ここから、専用診断機を使った本格的な調査へと移行しました。

📸 BMW F31 ブラックアウト画面

BMW F31 ブラックアウト画面
BMW F31 ブラックアウト画面

ISTAによる診断とヘッドユニットの動作チェック

BMW/MINI専用診断機「ISTA」を用いてエラーチェックを実施したところ、ヘッドユニットの通信不能エラーが検出されました。これは他の制御ユニットと正常にデータをやり取りできない状態を示しており、画面表示や音声出力ができない大きな要因となります。

📸 BMW/MINI専用診断機「ISTA」を用いてエラーチェック

BMW/MINI専用診断機「ISTA」を用いてエラーチェック
BMW/MINI専用診断機「ISTA」を用いてエラーチェック
BMW/MINI専用診断機「ISTA」を用いてエラーチェック

さらに、ヘッドユニットを取り外して机上テストを実施しました。
ライコウで常時使用している専用テストツールに接続し、安定化電源から電力を供給して動作確認を行います。
結果として電源は入るものの画面はブラックアウトのまま。
加えて、正常なユニットであれば電流値が一定以上流れるのに対し、今回のユニットは著しく低い数値しか記録されませんでした。このことから、内部基板の故障が確定しました。

📸 ヘッドユニットを取り外して机上テストを実施

ヘッドユニットを取り外して机上テストを実施
ヘッドユニットを取り外して机上テストを実施

このように、ISTAによる診断と机上テストの両面から確認することで、誤診を防ぎつつ的確な修理方針を立てることが可能となります。

修理方針と今後の対応について

今回のF31では、ヘッドユニット(NBT ID3)の内部故障が原因であることが明確になりました。
そのため、ライコウで在庫しているBMW純正中古ヘッドユニットへ交換修理を行う方針となりました。
中古ユニットは正常動作確認済みであり、純正品を用いるため互換性や信頼性も確保できます。

ここ最近の猛暑の影響か、ヘッドユニットの故障は急増しており、モニターやヘッドライトの不具合も同時多発しています。
実際、ここ数日だけで10件以上のヘッドユニット故障相談をいただき、そのうち6台はすでに中古ユニットへの交換依頼を承っている状況です。
電子部品は高温環境に弱いため、夏場の車内高温状態が故障の引き金になるケースが多いと考えられます。

ヘッドユニットは新品交換となると高額出費を伴いますが、ライコウでは純正中古ユニットを活用することで費用を抑えつつ、安心してご使用いただける修理プランを提案可能です。
ブラックアウト症状でお困りの方は、お早めにご相談いただくことをおすすめします。