BMW ハイビーム異常の点検|F33 435i 左ハイビーム異常&アダプティブヘッドライト異常&ヘッドライト光軸調節異常の警告メッセージ

BMW 4シリーズカブリオレ(F33 435i)で左ハイビーム異常の警告を点検。今回はISTAによる診断のみで後日FLE入替による原因究明を予定。

BMW 4シリーズカブリオレ(F33) LCI 435i
BMW 4シリーズカブリオレ(F33) LCI 435i

車両情報

車種BMW 4シリーズカブリオレ(F33) LCI 435i
初年度登録2018年
都道府県神奈川県

左ハイビーム異常の点検と警告メッセージの確認

今回ご入庫いただいたのは、BMW 4シリーズカブリオレ(F33 435i LCIモデル)。
神奈川県内からご来店いただき、「左ハイビーム異常」「アダプティブヘッドライト異常」「ヘッドライト光軸調節異常」といった複数の警告メッセージがメーターパネルに表示されるとのことで点検をご依頼いただきました。

お客様のお話では、しばらく走行すると突然警告が点灯し、左側のハイビームが点かない状態になるとのことです。

BMW ハイビーム異常|左側のハイビームが点かない状態になる
BMW ハイビーム異常|左側のハイビームが点かない状態になる

実際にピットにてハイビームを点灯させて確認すると、確かに左側ヘッドライトの内側ハイビームが点灯していませんでした。

「左ハイビーム異常」「アダプティブヘッドライト異常」「ヘッドライト光軸調節異常」といった複数の警告メッセージ
「左ハイビーム異常」の警告メッセージ
「アダプティブヘッドライト異常」警告メッセージ
「ヘッドライト光軸調節異常」の警告メッセージ

BMWのヘッドライトはロービーム・ハイビーム・コーナリングライトなどが複雑に連動するため、単純にバルブ切れと判断するのは危険です。
特にLCIモデルではアダプティブ機能や光軸調整機能が搭載されており、ひとつの不具合が連鎖的に複数の警告として現れるケースが多いのです。
今回も「ハイビーム異常」から始まり、時間差で「アダプティブヘッドライト異常」や「光軸調整異常」の警告が連続して表示される症状を確認しました。
ヘッドライトの制御はFLE(フットウェルライトエレクトロニクス)と呼ばれる専用コンピューターで管理されているため、点検にはBMW/MINI専用診断機「ISTA」が必須となります。
ディーラーと同等の診断機を用いることで、エラー内容を正確に把握し、適切な修理方針を立てることが可能です。

ISTA診断による故障メモリー内容と点検結果

専用診断機「ISTA」にて車両診断を実施したところ、メモリーには「左ハイビーム:断線」という故障コードが記録されていました。

専用診断機「ISTA」にて車両診断を実施

一般的に断線エラーが表示されると、バルブや配線の不良を疑うのがセオリーです。
しかし、今回の車両はLEDが使用されているためバルブ単体の交換はできず、ユニットも高額部品となります。
そのため即断せず、診断機の指示に従いハイビームを個別点灯させてチェックしました。

ハイビームを個別点灯させてチェック
ハイビームを個別点灯させてチェック

結果として外側・内側ともに一度は正常に点灯し、実際には断線していない可能性が高いことが分かりました。
次に故障メモリーをいったん消去して再テストすると、消去直後は左ハイビームも点灯しましたが、しばらくすると再び消灯し、同時にエラーメッセージが再発しました。

エラー消去直後は内側ハイビームも点灯

つまり「完全に点灯しない」わけではなく、「点灯するが一定時間で消灯する」という挙動が確認できたのです。
このような症状は単なるLEDユニット不良ではなく、制御系統、特にFLEコンピューターが正常に出力を制御できていないケースが考えられます。
ハイビーム異常から派生してアダプティブヘッドライトや光軸調整機能にまで警告が広がるのも、FLEが各機能の基幹制御を担っているためです。
診断機のログからも「左右のヘッドライト用FLEコンピューターを入れ替えて症状が変化するか確認せよ」という具体的な指示が出ており、これが次のステップになります。
BMWの電装トラブルは表面的なエラー表示だけで判断せず、ISTAによる逐次診断を行うことが解決への近道となります。

今後の修理方針とFLEコンピューター入替による切り分け

BMW ハイビーム異常を点検の結果、現時点ではLEDユニット自体の完全断線ではなく、制御コンピューター(FLE)に原因がある可能性が濃厚と判断しました。
ただし断定はできないため、次回のご来店時に左右のFLEコンピューターを入れ替えて動作確認を行います。
もし入れ替えによって症状が右側へ移動すればFLEの不良が確定し、該当ユニットの交換で解決できます。
一方、症状が左側のままであれば、ヘッドライト内部の基盤やLEDユニットそのものに起因する不具合である可能性が高く、その場合はヘッドライト交換も視野に入れなければなりません。
BMWのヘッドライトは一式交換となると非常に高額で、ディーラーでの見積もりは数十万円単位になることも珍しくありません。
ライコウではまず診断機での切り分けと現物点検を優先し、可能な限り低コストで修理できる方法をご提案しています。
お客様にとっては「警告灯が出た=すぐに高額修理」という不安につながりますが、実際には診断と切り分けで修理可能なケースも多くあります。
BMWのハイビーム異常やアダプティブヘッドライト不良でお困りの方は、まずは一度ご相談ください。
ライコウではISTAを用いた精密診断に加え、豊富な修理実績と在庫部品により迅速な対応が可能です。