
BMW 5シリーズ(G30)530eのデイライト故障を修理。純正LEDモジュール交換とアクリルリペアで高額なヘッドライト交換を回避。ライコウではBMW デイライト故障の修理事例が多数。


車両情報
車種 | BMW 5シリーズセダン(G30) 530e |
初年度登録 | 2018年 |
都道府県 | 愛知県 |
デイライト点灯不良の症状と診断
今回ご入庫いただいたのは2018年式BMW 5シリーズセダン(G30) 530e 前期モデル。愛知県からお越しいただきました。症状は「運転席側ヘッドライトのデイライトがほとんど点灯しない」というものです。外観から確認すると、内側のデイライト部分が暗くほぼ消灯状態にありました。
専用診断機(ISTA)でエラーチェックを行いましたが、エラーコードは記録されていません。つまり車両側では不具合を検知しておらず、通常の診断では原因が掴めないトラブルです。このようなケースでは実際にヘッドライトを取り外し、内部の状態を直接確認する必要があります。ディーラーではユニットごとの交換を提案されることが多く、高額な費用が発生してしまいます。今回はコストを抑えつつ確実に修理を行うため、内部点検とリペア作業を選択しました。
📸 運転席側ヘッドライトのデイライト点灯不良



ヘッドライト内部の状況確認と不具合の原因
ヘッドライトを慎重に取り外し内部を確認すると、デイライト発光用のLEDモジュールに問題があることが判明しました。モジュールのチップLEDが茶色く焼損しており、さらに発光を拡散させるアクリル部分にも熱ダメージが及んでいました。アクリルは一部が焦げて変色、さらに溶解して変形しており、そのままでは光の拡散性能が大きく低下してしまいます。
📸 モジュールのチップLEDが茶色く焼損

📸 アクリルは一部が焦げて変色さらに溶解


本来であれば、BMW純正新品のヘッドライトユニットに交換するのが一般的な修理方法です。しかし純正定価は40万円前後と高額であり、左右セット交換が必要になるケースもあるため、オーナー様にとっては大きな負担となります。そこで今回は、焼損したLEDモジュールをBMW純正新品パーツへ交換すると同時に、溶解したアクリル部分をリペア加工する方法を採用しました。これにより高額修理を回避しつつ、機能を正常に復元することが可能です。
アクリルリペア作業とLEDモジュール交換
まず溶解してしまったアクリル部分を丁寧に削り落とし、焦げや変形が残らないように整形を行いました。その後、切削面を滑らかに研磨し、光を正しく受け止められる状態に修復。デイライトはLEDの光をアクリルを通して拡散させる仕組みのため、表面処理が粗いと輝度不足やムラが発生してしまいます。リペア作業では細かい仕上げが非常に重要で、発光品質を大きく左右する工程です。
次にBMW純正新品のLEDモジュールを組み込みます。焼損リスクを避けるため、正規ルートから調達した新品を採用。取り付け後はヘッドライトユニット全体を元の状態に組み戻し、車両へ装着します。ここで再度ISTAにて動作チェックを実施。無事に運転席側デイライトが明るく均一に点灯することを確認できました。
この施工により、ヘッドライト交換をせずに大幅なコストダウンで修理が可能となり、オーナー様にも大変ご満足いただけました。
📸 アクリルリペア作業



📸 LEDモジュール交換


BMW デイライト故障修理の強調ポイント
- BMW 5シリーズ(G30)特有のデイライト不点灯症状に対応
- 診断機でエラーが出ないケースでも、原因特定と修理が可能
- 40万円クラスのヘッドライト交換を回避し、リペア+モジュール交換で修理
- アクリルリペアにより発光品質を復元
📸 BMW デイライト故障修理





注意点・留意事項
- デイライトの不具合は診断機で検出できない場合があるため、専門的な目視確認が必須。
- ヘッドライト内部の損傷が進行していると修理不可能となり、交換が必要になるケースもある。
- 今回のようなリペアは熟練技術を要するため、DIYでは推奨できない。