
滋賀県よりBMW 3シリーズ セダン(F30)320iのお客様にご来店いただきました。今回は地デジの受信不良対策として、フィルムアンテナ移設をご依頼いただいた案件です。純正ドライブレコーダーを装着して以降、地デジがワンセグへ切り替わる・圏外表示になる症状が出ているとのことで、アンテナの貼り付け位置を変えながら原因を切り分けていきました。あわせてコーディング2項目も施工しています。


| 車種 | BMW 3シリーズ セダン(F30)LCI 320i |
|---|---|
| 年式(初年度登録) | 2017年 |
| 来店エリア | 滋賀県 |
F30 地デジのフィルムアンテナ移設とアンテナケーブル新品交換

お客様はBMW認定中古車をご購入された際、ディーラーで純正ドライブレコーダー「Advanced Car Eye 3.0 Pro」を取り付けられています。装着以降、ドライブレコーダーが起動していると地デジの受信状態が著しく悪化し、ワンセグへの切り替わりや圏外表示が多発するようになったとのこと。ドライブレコーダーの電源を切ると症状が収まるため、本体または配線からのノイズ干渉ではないかとお考えで、社外地デジチューナー側の配線ルート見直しで受信環境を良くしたいとご相談いただきました。
この車両の地デジチューナーはa/tack製のAT-DTV4Xです。4チューナー×4アンテナ方式で、フィルムアンテナ4枚とアンテナケーブル4本の入力レベルがそのまま受信性能を決める構成です。12セグ受信を維持できなくなるとワンセグへ自動で切り替わる仕様のため、「ワンセグになる・圏外になる」という症状はアンテナ入力レベル不足のサインとして扱えます。施工前のアンテナレベルを確認すると30〜34で、ワンセグ受信へ切り替わる状態でした。
地デジの受信感度は、ドライブレコーダーなどの電装品や車両に搭載されているECUが出す電磁波の影響で落ちてしまうことがあります。そしてこれらの電装品やECUは車両前方に集中しているため、通常フロントガラスに貼り付けている地デジ用フィルムアンテナをリアガラスへ移設すると、電磁波の影響を受けづらくなって受信感度が上がってくれる。これがライコウで従来から採っている感度アップ策です。今回もフロントガラスのフィルムアンテナが純正ドライブレコーダー本体とその配線に近接していることを疑い、AT-DTV4Xのフィルムアンテナとアンテナケーブルを新品に交換したうえで、リアガラスへ移設する配線ルートへ変更しました。アンテナケーブルは内装をきちんと分解し、既存の配線を傷つけない取り回しで引き直しています。

ところが移設後にアンテナレベルを測り直してもレベルの変化はなく、フロントガラスに貼っていたときと同じようにワンセグ受信のままでした。電装品が集中しているフロントから離したのに変わらないということは、ノイズ源が車両前方だけではないということになります。この純正ドライブレコーダーはリアカメラも装着されており、リアに装着されているドライブレコーダーからも干渉電波が出ている可能性が高いと判断しました。
そこでドライブレコーダーの電源線を抜いた状態で受信を確認したところ、受信が改善することを実測で確認できました。つまり地デジ側のアンテナや配線の問題ではなく、現在装着されているドライブレコーダーと社外地デジチューナーの相性が悪いことが原因と考えられます。フィルムアンテナをリアへ移設しても受信感度が変わらなかったことで、Advanced Car Eye 3.0 Proは本体だけでなくリアカメラとその配線からも干渉電波を出しているという点がはっきりしました。この内容はそのままお客様にもご説明しています。
干渉電波が車両の前後どちらからも出ている状態では、アンテナの移設だけではノイズ源から距離を取りきることができません。根本的に地デジの受信環境を良くするには、ドライブレコーダー側の変更・対策が必要になります。ライコウでは過去にも、Advanced Car Eyeが原因でバッテリーが消耗していた事例や、純正ドライブレコーダーを撤去して社外品へ交換した事例を経験しています。
BMW 3シリーズ セダン(F30)コーディング2項目施工
地デジの作業とあわせて、ご希望のコーディング2項目を施工しました。いずれも日常の使い勝手に直結する内容です。
ドアロック長押しドアミラー格納時間変更(0.5秒)

F30では通常、ドアロックボタンを1.5秒長押しすることでドアミラーが格納されます。このコーディングでは、ドアミラーを格納させるためのドアロックボタンの押し時間を変更します。今回は0.5秒へ短縮し、施錠のたびに長く押し込んで待つ必要がない操作感に仕上げました。純正アラームシステム装着車については、誤作動を避ける意味でも0.5秒を推奨しています。なお押し時間を0秒に設定しても、ドアロックに連動して必ずドアミラーが格納されるというものではありません。
アイドリングストップ状態の前回記憶

エンジン停止時のアイドリングストップの状態を記憶し、次回のエンジン始動時に記憶した状態で立ち上がるようにする設定です。アイドリングストップをOFFにして走行し、そのままエンジンを停止すれば、次回のエンジン始動時もアイドリングストップOFFの状態になります。乗り込むたびにOFFボタンを押す手間がなくなるため、アイドリングストップを基本的に使わない方には効果の分かりやすい項目です。ただしエンジン始動時のドライビングモードをエコプロモードに設定している場合は、OFF状態を維持できないことがあります。
作業後は診断機でエラーチェックを実施し、消えないエラーがないことを確認しています。
まとめ
- 施工前のアンテナレベルは30〜34で、12セグを維持できずワンセグ受信へ切り替わる状態だった
- AT-DTV4Xのフィルムアンテナとアンテナケーブルを新品交換し、フロントガラスからリアガラスへ移設する配線ルートへ変更した
- 移設後もアンテナレベルは変わらず、フロント同様ワンセグ受信のままだった
- ドライブレコーダーの電源線を抜くと受信が改善することを実測で確認し、純正ドライブレコーダーのノイズ干渉が原因と切り分けた
- Advanced Car Eye 3.0 Proは本体だけでなくリアカメラとその配線からも干渉電波を出しており、アンテナ移設だけでは距離を取りきれない
- 根本的な改善にはドライブレコーダー側の変更・対策が必要であることをお客様にご説明した
- コーディングはドアミラー格納の長押し時間を0.5秒へ短縮、アイドリングストップは前回記憶の設定へ変更した
- 作業後は診断機でエラーチェックを行ない、消えないエラーがないことを確認した
BMW 3シリーズ 320iの地デジ受信不良のように、原因が装着済みの電装品側にある場合は、部品を足す前に実車で1つずつ条件を変えて確かめることが遠回りに見えて確実です。ドライブレコーダーのノイズ干渉やアイドリングストップの前回記憶のご相談も、ライコウへお気軽にお声がけください。
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