
BMW 5シリーズ F10 アダプティブヘッドライト異常を社外TMS交換後の初期化とLED学習で完全復旧。ISTAでの対応事例を紹介。


車両情報
車種 | BMW 5シリーズセダン(F10) LCI 523i |
初年度登録 | 2014年 |
都道府県 | 神奈川県 |
はじめに
神奈川県からご来店いただいたBMW 5シリーズセダン(F10) 523i LCI。
今回は「アダプティブヘッドライト異常」「ライト装置」といったエラー警告が表示される症状の修理をご紹介します。
以前にも同じ車両でTMS(ライト制御モジュール)の故障があり、その際にライコウで初期化とLED学習を実施済みでしたが、再びTMSが故障。
今回は社外新品のTMSへ交換された状態でご来店いただきました。



TMS交換後の初期化作業
TMSはヘッドライトのLED制御やアダプティブ機能を司る重要なコンピューターです。
純正品であればBMW診断機ISTAが容易に認識しますが、社外TMSは認識されないケースが多く、交換後に通信できないトラブルが頻発します。

今回のF10では幸いにも社外TMSが認識されており、作業を進行可能でした。
初期化作業はISTAでも実施可能ですが、短時間で確実に行うためコーディング専用ソフトを使用して実施。
短時間で完了し、警告メッセージの一部がクリアされました。
初期化のみではまだLED点灯パターンが学習されていないため、続けてLED学習へ移行します。
LED学習作業と正常動作確認
TMSが新しくなると、ヘッドライト内部のLED発光パターン情報がリセットされます。
そのままではデイライトやアダプティブ機能が正しく動作せず、誤点灯やエラー表示が残るため、ISTAによるLED学習作業が必須です。

LED学習を実施後、各発光ユニットの動作をテスト。
リングライト・デイライト・アダプティブ動作の全てが正常に作動し、メーターパネルとモニター表示も「異常なし」となりました。
社外TMSながら、正しい初期化とLED学習を行うことで、純正同等の動作を回復できました。



F10特有のTMS故障原因と予防策
F10/F11世代では、ヘッドライト内部への水分混入によって端子やTMSが腐食し、再故障を起こすケースが多発しています。
今回のように交換しても再発する場合、その原因の多くは「コーキング未処理」による浸水です。
ライコウでは、トラブル予防のためのヘッドライトコーキング施工も承っています。
新品交換や社外TMSを使用する際も、必ず防水処理を行うことで寿命を大幅に延ばすことが可能です。
水分混入による故障は再発リスクが高いため、未施工車両の方は早めの対策を強く推奨します。
まとめ
今回のBMW 5シリーズ(F10) では、社外TMSでも認識・初期化・LED学習を正しく行うことで、ヘッドライトの全機能を完全復旧できました。
TMS故障でお困りのオーナー様、ディーラーで交換対応不可とされた方も、ライコウなら診断と復旧が可能な場合があります。
「アダプティブヘッドライト異常」や「ライト装置」のエラーでお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。
TMS故障などによるF系BMWのヘッドライト修理事例
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