
BMW F10 ヘッドライト異常を修理。TMSはBMW純正新品へ交換済みなのでコンピューター初期化とLED学習で警告解除し正常点灯を復活させました。


車両情報
車種 | BMW 5シリーズセダン(F10) LCI アクティブハイブリッド5 |
初年度登録 | 2014年 |
都道府県 | 滋賀県 |
ヘッドライト異常の原因と交換後の症状
今回ご入庫いただいたのは滋賀県内のお客様の BMW 5シリーズセダン F10 アクティブハイブリッド5(2014年式・LCIモデル) です。
ヘッドライト内部に水分が混入したことで不点灯トラブルが発生し、オーナー様はBMW純正新品のヘッドライトコンピューターへ交換されました。

しかし、交換しただけではライトが点灯せず、メーターには次のような警告が表示されます。
- 「アダプティブヘッドライト異常」
- 「フロントライト装置異常」
- 「ヘッドライト光軸調節異常」
さらに警告音まで鳴り続けるため、夜間走行はもちろん、昼間でも不安を抱える状態です。
このようにF10のヘッドライトは単にコンピューターを交換するだけでは機能せず、車両ネットワークとの同期設定が必須になります。



この症状はF10に限らず、同世代のBMW各車に多く見られる典型的なトラブルであり、誤った対処をすると再発や別のエラーを引き起こすこともあります。したがって、正しい手順で初期化とLED学習を行うことが重要です。
ヘッドライトコンピューター初期化とLED学習の重要性
BMWのヘッドライト制御は非常に複雑で、コンピューターの交換だけでは動作しません。
今回のケースでは、まず 交換したヘッドライトコンピューターを初期化 し、車両のコンピューターネットワークへ正しく認識させる必要があります。

初期化を行わない場合、車両側が「新しいコンピューターを未登録の部品」と判断し、点灯制御を拒否する仕組みです。
さらに重要なのが LED学習作業 です。
LEDモジュールの特性をヘッドライトコンピューターに登録することで、点灯時の電圧や光量を正しく制御できるようになります。
この学習作業を経て初めて、以下の機能がすべて正常に復帰しました。
- デイライトやロービームの正常点灯
- アダプティブヘッドライト機能の復活
- 光軸調整機能の復帰
結果として、助手席側のヘッドライトは新品同様の状態へと回復しました。






BMW専用診断機(ISTA)を使用するディーラーではプログラミング作業が必須とされていますが、当店では別の方法で効率的に作業を進めたうえで、最終的にISTAでLED学習を実施。これにより余計なコンピューターへの影響を最小限に抑えながら、確実に修理を行うことができました。

ヘッドライト異常修理のポイントと注意事項
今回の修理で改めて分かるのは、BMWのヘッドライト関連作業には専用診断機が不可欠 ということです。
市販の汎用テスターではヘッドライトコンピューターの初期化やLED学習は行えません。
そのため、作業を行えるのは BMWディーラー か、専用診断機(ISTA)を所有する専門店 に限られます。
また、誤った作業を行うと以下のようなリスクがあります。
- ヘッドライトが完全に点灯しなくなる
- 車両側の他の制御コンピューターへ悪影響を及ぼす
- 警告メッセージが消えず車検に通らない
ライコウではBMW純正新品パーツの取り扱いはもちろん、診断機を用いた初期化やLED学習まで対応可能です。
「ヘッドライト異常」でお困りのオーナー様は、早めにご相談いただければと思います。
強調ポイント
- BMW F10のヘッドライトは単なるコンピューター交換では復帰しない
- 初期化+LED学習が必須で、専用診断機ISTAを使用できる環境が必要
- ディーラーと同等以上の対応がライコウでも可能
注意点・留意事項
- コーディング作業は専用ツールを使用(ディーラー診断機では対応不可の項目あり)
- 車両診断やエラーチェックはBMW専用診断機ISTAで実施
- 汎用テスターでは対応できないため、専門店またはディーラーに依頼必須