
BMW 5シリーズツーリング F11 フロントターンインジケータ異常やコーナーリングライト異常など警告多数。原因はヘッドライト内部の水分混入とTMS故障でした。原因調査と対策事例を詳しく解説。


車両情報
| 車種 | BMW 5シリーズツーリング(F11) 523i |
| 初年度登録 | 2013年 |
| 都道府県 | 神奈川県 |
ご来店時の症状と作業背景
神奈川県内からご来店いただきました。
当初は左側ヘッドライトに以下の警告が同時多発している状態でした。
- コーナーリングライト異常
- 左フロントターンインジケータ異常
- スモールライト/デイライト異常
- ヘッドライト光軸調節異常
さらに数日前からは、右側ヘッドライトにも「左フロントターンインジケータ異常」が表示されるようになり、警告が拡大。
実際に確認すると、両側ともフロントウインカーが点灯しないという深刻な状態でした。

左側ヘッドライト内部を確認すると、目視でも分かるほどの大量の水分混入が見受けられます。


診断と切り分け作業
専用診断機で車両診断を行うと、ヘッドライト関連のエラーが多数記録されていました。

ここで重要なのは、
- 右側ヘッドライトには水分混入がない
- それでも右側まで誤警告・誤動作が出ている
という点です。
そこでまず、左側ヘッドライトを車両から取り外し、右側ヘッドライト単体で動作確認を実施。
すると、
- フロントウインカー点灯
- コーナーリングライト点灯
が正常に復活しました。


この結果から、
👉 左側ヘッドライトの不具合が通信異常を引き起こし、右側にも影響していた
という想定が正しいことが分かります。
BMW F11 フロントターンインジケータ異常の詳細調査
次に左側ヘッドライトを分解し、水分を除去。
カバー類を外すと、滝のように水が流れ出る状態で、かなり深刻な水分混入でした。
この状態では、
- ヘッドライト制御モジュール(TMS)の故障
- ヘッドライト本体へのダメージ
どちらも疑われます。
TMS移植による原因特定
右側ヘッドライトは正常と判断できていたため、
右側ヘッドライトのTMSを左側へ移植して動作チェックを実施。
結果は、
- フロントウインカー点灯を確認
- ヘッドライト自体の基本動作も確認
👉 不具合の原因は 左側ヘッドライトのTMS故障 と特定できました。

このため、後日社外TMSを調達して交換修理を行なう方針となりました。
水分混入の原因とコーキング作業
水分混入の原因は、ヘッドライトレンズと本体の合わせ目(コーキング部)の経年劣化と考えられます。

清掃と脱脂を行いながら点検すると、
- ウインカー周辺で2か所
- 明確な水分侵入ポイント
を発見。

今回は応急対応として、劣化部を中心にコーキング処理を実施しました。


注意点・デメリット(重要)
今回のようなヘッドライト水分混入トラブルには、以下の注意点があります。
- コーキングは応急処置であり、根本的な構造劣化は完全には止められない
- 水分混入期間が長いと、TMSだけでなくヘッドライト本体も故障する可能性がある
- 誤作動が他側のヘッドライトや車両通信に波及するケースがある
早期発見・早期対処が、修理費用を抑える最大のポイントです。
今後の対応について
今回は原因特定と応急処置までを実施し、社外TMS入荷後に再来店いただき、交換修理を行なう予定です。
同様の
- 「フロントターンインジケータ異常」
- 「コーナーリングライト異常」
- ヘッドライト関連の警告多発
でお困りの場合は、早めの点検をおすすめします。
BMW 5シリーズ(F10/F11)のヘッドライト不点灯の修理事例は過去のブログもご覧ください。
https://raikopower.com/?post_type=post&category_name=bmw_f10_f11_f07&s=%E3%83%98%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88%20%E4%BF%AE%E7%90%86
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