BMW X3(F25) エンジンルームやフロントバンパーパネルなどをドライアイス洗浄

ライコウが新兵器として導入したドライアイス洗浄機。
今回はX3(F25)でエンジンルームなどの洗浄に使ってみました。
埃や油脂分がキレイに取り除けてオーナー様もビックリの効果を得ることができました。
特に無塗装樹脂パーツへのドライアイス洗浄の威力が体感できました。

BMW X3(F25) エンジンルームやフロントバンパーパネルなどをドライアイス洗浄

車両情報

車種BMW X3 ( F25 ) 20d
初年度登録2016年
都道府県東京都

エンジンルームやフロントバンパーパネルなどをドライアイス洗浄

ドイツ製のドライアイス洗浄機

ドイツ発祥のグリーンテック社が製造しているドライアイス洗浄機。
今までのドライアイス洗浄機は大型の機械で、主に工場などで使われてきました。

それからドライアイス洗浄機の小型化が進み、持ち運びが可能なサイズへと進化したことによりカーディテーリング業界や商業施設の清掃などで使えるようになりました。

ライコウが導入したドライアイス洗浄機も持ち運びが可能なサイズです。

冷やして剥がす!ドライアイス洗浄機

冷やして剥がす!ドライアイス洗浄機

ドライアイス洗浄機の大きな特徴は、ドライアイスの特徴を活かした洗浄方法です。

-79℃のドライアイスを汚れている箇所へ吹き付けて、固体から気体へと昇華する力で汚れを剥がします。

サンドブラストのような研磨するといった仕組みではないので洗浄対象物に傷を付けません。

2つの剥離の原理

ドライアイス洗浄の大きな特徴である2つの剥離の原理をご紹介します。

まずは、熱収縮力です。

ドライアイス洗浄機のノズルからエアーと少量のドライアイスが高速噴射されます。
-79℃のドライアイスが汚れに付着して瞬間冷却、洗浄物は常温を保とうとするので、温度差で汚れにクラックが発生しもろくなります。

次に体積膨張力です。

もろくなったクラックの隙間にドライアイスが次から次へと入り込んできます。
ドライアイスは固体から気体へと白い煙になり無くなります。
この昇華時に約750倍の体積膨張が発生して、汚れなどの付着物を剥がしとります。

汚れなどの付着物が一瞬で剥がれます

熱収縮力と体積膨張力が発生するのは約3秒以内のため、汚れなどの付着物は一瞬で剥がれてしまいます。

そして、水分や洗剤などは一切残らないのが最大の特徴です。

ただ、高圧水洗浄やサンドブラストのような圧力やブラスト力はありませんので、染み込んだ汚れや張り付いてしまっている汚れは取り切れません。

しかし、オイルやグリスなどへの脱脂力は強力なのと、手が入りづらいところの洗浄には効果を発揮します。

BMW X3 ( F25 )のエンジンルームやフロントバンパーパネルなどをドライアイス洗浄

2016年のBMW X3 ( F25 )をドライアイス洗浄します。

エンジンルームは埃や油脂が付着してます。

エンジンルームは埃や油脂が付着
エンジンルームは埃や油脂が付着
エンジンルームは埃や油脂が付着

エンジンカバーを取り外すとかなりの汚れを発見!

エンジンカバーを取り外すとかなりの汚れを発見

自力で頑張って清掃することは可能ですが、水を直接かけることができない部分があったり、突起物の隙間をブラシなどで清掃したり、かなりの手間が必要になります。

ドライアイス洗浄機に3mmペレットタイプのドライアイスを入れます。
3mmペレットタイプとは、米粒大の大きさに成型されたドライアイスです。

そして、ドライアイス洗浄機のノズルからパウダー状になったドライアイスを汚れ部分に吹き付けて洗浄を行ないます。

粉末状になったドライアイスを汚れ部分に吹き付けて洗浄

パウダー状のドライアイスが高速噴射され、-79℃で瞬間冷却して汚れに吸着。
ドライアイスは一瞬で固体から気体に昇華します。
その際に約750倍の体積膨張が発生して汚れを剥がし取ります。

粉末状になったドライアイスを汚れ部分に吹き付けて洗浄

水分や洗剤を一切使わず、エンジンルームは見る見るうちにキレイになっていきます。

粉末状になったドライアイスを汚れ部分に吹き付けて洗浄

水気を使いませんので、ワイヤーハーネスやコネクター部分もお構いなしにドライアイス洗浄できます。

また、手の入りづらい個所や隙間などの汚れもキレイさっぱり取り除けました。

エンジンルームへのドライアイス洗浄時間は3分程度。
これを自力で清掃しようとしたらどのくらいの時間を要すだろう?

埃やグリスなどの油脂汚れは見事に取り除けています。
ウォーターデポジットなど取り切れない汚れがありましたがドライアイス洗浄の威力を改めて感じました。

ボンネット裏側にこびりついてたグリスは、驚くくらいに剥がれ落ちてくれました。

続いては、アルミホイールとホイールボルト部分にもドライアイス洗浄を実施します。

アルミホイールとホイールボルト部分にもドライアイス洗浄

手の入りづらいところになりますので、自力での洗浄ですとアルミホイールを取り外しての作業となりますが、ドライアイス洗浄だと車両にアルミホイールが装着された状態でこのくらい汚れが取れてくれます。

アルミホイールとホイールボルト部分にもドライアイス洗浄

ホイールボルトもアルミホイールのボルト取付部も汚れを取り除けました。

4本のアルミホイールのホイールボルト部分のドライアイス洗浄は1本あたり30秒程度。
短時間で洗浄できました。

お次は、フロントバンパーパネルをドライアイス洗浄します。

BMW X3 ( F25 )のフロントバンパーパネルは無塗装のパーツ。

フロントバンパーパネルは無塗装のパーツ

経年劣化で白い模様が出てしまっております。

フロントバンパーパネルは経年劣化で白い模様

自力で白い模様を取り除くのは非常に困難です。

この部分をドライアイス洗浄してどのくらい効果があるのか?

ドライアイス洗浄機を通常圧力で洗浄してみましたが、効果が薄かったです。
そこで圧力を上げて再度チャレンジします。

ドライアイス洗浄機の圧力を上げてフロントバンパーパネルを洗浄

すると、白い模様がほぼ消えてくれました。

ドライアイス洗浄機の圧力を上げてフロントバンパーパネルを洗浄
ドライアイス洗浄機の圧力を上げてフロントバンパーパネルを洗浄

ドライアイス洗浄機の圧力を上げて、洗浄時間も多めに行なうことで無塗装樹脂パーツの白い模様の洗浄が可能だと判明。

樹脂パーツ表面の汚れや油脂分がドライアイス洗浄で取り除けましたので、表面はスッピン状態。
このままでは、再び樹脂パーツ表面に汚れや油脂分が付着してしまいますので、コーティングしました。

ドライアイス洗浄後に樹脂パーツをコーティング
ドライアイス洗浄後に樹脂パーツをコーティング
ドライアイス洗浄後に樹脂パーツをコーティング
ドライアイス洗浄後に樹脂パーツをコーティング

実験的に無塗装の樹脂パーツをドライアイス洗浄してみましたが、私の想像以上に汚れや油脂分を取り除くことができました。

ミニのフェンダーを含めて無塗装樹脂パーツが多数取り付けられていますので、ドライアイス洗浄が威力を発揮してくれるだろうと期待できます。

ドライアイス洗浄のメリットとしては、

サンドブラストや重曹ブラストとは洗浄の仕組みが異なりドライアイス洗浄の大きな特徴である2つの剥離の原理を使った洗浄ですので素材を傷つけません。

CCUSを活用したカーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組み

ドライアイス洗浄で使用しているドライアイスは、工場で排出されたCO2を回収して再利用されています。
CO2を再利用してリユース品(再使用品)を洗浄することで製品寿命を延ばし、カーボンニュートラル社会と循環型社会の実現に取り組んでます。

BMW&MINIをキレイにするためライコウはドライアイス洗浄機をフル活用します

ライコウではBMW&MINIをキレイにするためにドライアイス洗浄機をフル活用していきます。

グリーンテック社のドライアイス洗浄機は国内大手自動車メーカーの中古車整備部門で導入されていますので、今後ドライアイス洗浄という言葉を耳にする機会が増えてくると思われます。

どの部分にドライアイス洗浄機が効果的なのか?
手探りな部分もありますが、素材に傷を付けずに汚れを剥がし取ってくれるドライアイス洗浄機の特徴を掴みつつ、取り切れなかった汚れは、別の商品を使うなどして愛車をキレイに保つお手伝いが出来ればと思っております。