
ミニ F56 デイライト変色をリペア修理で復活。アクリル焼損の修復とLEDモジュール交換により、ヘッドライト交換せず低コスト修復。

車両情報
車種 | ミニ ハッチバック(F56) LCI ジョンクーパーワークス(John Cooper Works) |
初年度登録 | 2019年 |
都道府県 | 兵庫県 |
デイライト発光不良の原因と修理の背景
兵庫県からご来店いただいたお客様の ミニ ハッチバック(F56) JCW(2019年式・LCIモデル)。
運転席側ヘッドライトのデイライトが茶色く暗く発光しており、明らかに正常ではない状態です。

LCI以降のF56系ヘッドライトでは、デイライト発光不良やアクリル焼損が増加しています。
原因は、LEDモジュールが発する高熱によるアクリルの焼き付き。特に酷暑時に長時間デイライトが点灯し続けると、LEDの発熱でアクリルが熱変形・変色を起こしてしまうと推測されます。
このトラブルは厄介で、モニターに警告が表示されず、専用診断機(ISTA)でもエラーを記録しません。
そのため気づいたときにはアクリルが溶け、LEDの発光が茶色く曇るほどに劣化しているケースが多く見られます。



ヘッドライトを取り外して内部を確認すると、アクリルがLED3灯の形状に沿って一文字で焦げ溶けているのが確認できました。
一般的には「ヘッドライトASSY交換」と案内される症状ですが、ライコウではアクリルリペア+LEDモジュール交換により、純正交換なしで修復しています。
アクリルリペアとLEDモジュール交換の詳細作業
焦げて焼けてしまったアクリル部分を、まずは専用ツールで慎重に切削加工します。
削りすぎると発光ラインが崩れてしまうため、削り量は必要最小限(数ミリ単位)に調整。
削り終えたあとは、LED光が乱反射しないように、照射面を滑らかに研磨して光沢のある仕上がりに整えます。



続いて、焦げてしまったLEDモジュールをミニ純正新品パーツへ交換。
焼損したモジュールは基板が変色・焦げ付き、LED素子もダメージを受けているため、リペアのみでは再発リスクが高くなります。
新品モジュールを取り付け、ヘッドライトを車両へ戻して点灯確認を実施。
運転席側のデイライトは、助手席側と遜色ない明るい白色発光を取り戻しました。


一般的なヘッドライト交換だと片側20万円以上の部品代が必要になりますが、ライコウではリペア+モジュール交換で短時間・低コスト修理が可能です。
この手法により、純正部品の再利用を促進し、環境にも優しい修理を実現しています。
再発防止のためのライコウからのご提案
デイライト発光不良は、一度修理しても再発するリスクがあります。
ライコウではこれを未然に防ぐために、以下の3つの対策を推奨しています。
- デイライト発光をOFFに設定(コーディング)
デイライトメニューを表示させてチェックを外すことで、常時点灯を防止します。
日中の長距離走行が多い方に特におすすめ。 - デイライト発光輝度を70%に低減(コーディング)
純正設定では100%発光ですが、70%まで落とすことで発熱を抑制し、アクリル焼損を予防できます。
発光見栄えを損なわず、効果的な延命対策です。 - LEDとアクリルの隙間を確保する切削予防施工
アクリルリペアの際に光路を最適化し、LEDとのクリアランスを拡大。
熱だまりを防ぎ、長期間の安定発光を実現します。
特に運転席側に集中して発生する傾向があるため、早期発見と予防施工が重要です。
ライコウではこれまで数多くのF56デイライト修理を手掛けており、豊富な実績と独自ノウハウによって高品質なリペアを提供しています。