
BMW M2 F87 リアウインカー 不具合の点検。右リアウインカーが不点灯になるトラブルですがご来店時には不具合が出ず、ISTAでエラー履歴を確認し、コーディングでウォームチェックをオフ設定。


車両情報
| 車種 | BMW 2シリーズクーペ(F87) LCI M2 |
| 初年度登録 | 2017年 |
| 都道府県 | 千葉県 |
専用診断機(ISTA)による点検でエラー履歴を確認
右側リアウインカーが時々点灯しないというトラブルでのご入庫です。
今回の車両はLCIモデルのF87 M2。
テールライトのウインカーはLED化されており、電球タイプとは制御方式が異なります。
この点が、同様の症状を起こすX2(F39)などとは異なる部分です。
ご来店時にはリアウインカーは正常に点灯しており、実際の不具合は確認できませんでした。
念のためテールライトを取り外し、コネクターの腐食や端子の損傷、配線の断線などを入念にチェックしましたが、目視では問題なし。


専用診断機(ISTA)を接続し、エラーログを確認すると以下の2つのエラーが記録されていました。
- 「右リアターン インディケーターの不具合」
- 「フラッシャーの妥当化に失敗」



前者は6月29日から22回、後者は5月14日から18回のエラー履歴が確認されました。
点灯制御を司る「REM」モジュールの不具合が疑われるものの、確実な故障断定までは至りません。
テールライト本体のLED素子や基板側の制御回路の可能性も考慮する必要があります。
コーディングによるウォームチェックオフ設定で経過観察
現状では再現性がなく、交換判断を下すには時期尚早と判断。
そこで、リアウインカー回路の球切れチェックに関する設定を最適化する方向で対処しました。

LED化された車両では、微弱電流を流して状態監視を行うコールドチェックは初期状態でオフになっていますが、点灯中に状態監視を行うウォームチェックはオンになっています。
これが誤検出の原因となることがあるため、ウォームチェックをオフ設定に変更。

このコーディングにより、電流監視誤検出によるウインカー点灯不良を抑制しつつ、現状の状態を維持したまま経過観察を行っていただく方針としました。
今後の対応と注意点
もし再度リアウインカーの不具合が発生した場合は、その症状が出ているタイミングでの現車確認が最も重要になります。

実際にウインカーが点灯しない状態を確認できれば、「REM」モジュール側の信号出力不良か、もしくはテールライト内部のLEDドライバ回路不良かを明確に切り分けることが可能です。
症状が intermittent(断続的)な場合、点検時に正常に戻ってしまうことが多く、確実な原因究明にはリアルタイムでの確認が不可欠です。
ライコウでは、専用診断機による詳細なエラーログ解析と、BMW純正回路図を用いた電気的検証の両面から再発防止策を提案いたします。
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