ヘッドライトが点灯しない不具合でのご来店。加えてアクティブクルーズコントロールが動作しない不具合も抱えておられました。
作業当初は原因不明な点もありましたが、一つずつ問題点を解決していき、無事にすべての不具合を解消できました!
長期間の不具合状態から解放され、修理費用もかなり安く済んだんじゃないかなって思ってます。
車両情報
車種 | BMW 4シリーズグランクーペ ( F36 ) 420i |
初年度登録 | 2014年 |
都道府県 | 千葉県 |
右側ヘッドライト点灯不良トラブルの修理作業
右側ヘッドライトに水分混入でコロナリングが不点灯に
右側ヘッドライトに水分が混入しコロナリングが不点灯になってしまいました。
そこで中古のヘッドライトに交換されたんですが、依然コロナリングは不点灯のままでご来店です。
作業前にヘッドライト点灯状況の確認
作業を取り掛かる前にまずはヘッドライトの点灯状況を確認します。
ポジションライトのみ点灯時に右側は不点灯、左側は点灯します。
ヘッドライト点灯時は、左右ともヘッドライトが点灯するものの、右側のコロナリングは不点灯のままです。
BMW専用のISTA診断機でエラーチェックしますと右側ヘッドライト内モジュール【 TMS 】のコーディングエラーが記録されていました。
ヘッドライトを交換されたので、いつもにようにECUの初期化を実施してみました。
すると右側ヘッドライトのコロナリングが点灯しました。
んっ!?右側のコロナリングが明るく発光している気がする!?
それとヘッドライト光軸調節異常のエラーメッセージは出ています。
お客様からヘッドライト交換時の経緯をお聞きすると、ヘッドライト内モジュール【 TMS 】やLEDモジュールは新品へ交換されていました。
しかしBMW純正品かどうかは不明とのことでした。
たまたま、不具合が出ている右側ヘッドライトを車両に積んでおられたので、不具合が出ている右側ヘッドライトへコネクターを付け替えて動作チェックをしてみました。
そうしたところコロナリングは点灯しないもののヘッドライト光軸調節異常のエラーメッセージは無くなりました。
多分、不具合が出ている右側ヘッドライトに取り付けられているヘッドライト内モジュール【 TMS 】は壊れて無さそう。
ってことで、右側ヘッドライトに取り付けられたヘッドライト内モジュール【 TMS 】を元の部品に交換してみました。
取り外したヘッドライト内モジュール【 TMS 】を確認したところBMW純正部品ではありませんでした。
コロナリングが明るく発光してしまう原因はコレでした。
BMW純正部品のヘッドライト内モジュール【 TMS 】へ交換した右側ヘッドライトはすべて正常点灯してくれました。
・デイライト発光
左右のコロナリングが同じ明るさでデイライト発光しています。
・ポジションライト発光
左右のコロナリングがデイライト発光輝度より減光して発光しています。
・ヘッドライト発光
ロービームおよびハイビームが問題無く点灯しました。
BMW 4シリーズグランクーペ ( F36 ) の右側ヘッドライトは無事に復活してくれました(^^)/
やはり、BMW純正部品ではなく社外品の車両ECUではまともに動作しないことを再認識。
BMW 5シリーズ( F10 / F11 )でヘッドライト水没による【 TMS 】の故障では、修理費用を抑えるため社外品を購入される方が多くのですが、まともに動作した事例はライコウでは存在しません。最終的にはBMW純正部品に交換してヘッドライトが復活した事例ばかりです。
ご来店当日は、たまたま他のご来店作業が順調に進んで、キッチリ原因調査できたため、当日の原因究明とヘッドライトの復活が実現できました。
ここまでの作業をしていなければ、不具合が出ている右側ヘッドライトに取り付けられているヘッドライト内モジュール【 TMS 】も故障していると思っておられましたので、BMW純正部品のヘッドライト内モジュール【 TMS 】を購入して、フロントバンパーを取り外してヘッドライトを取り外してからヘッドライト内モジュール【 TMS 】の交換っていう修理内容が待っていたはずで、高額の費用が必要だったかもしれません。
培った経験によって動作チェックを行ない、その結果から得られた情報により原因究明ができたことで短時間で修理が完了できたのはもちろん、修理費用も無駄に使わずに済んだのはBMW専門店のライコウならではないかと自負しています。
アクティブクルーズECU通信不良トラブルの修理作業
右側ヘッドライトを交換してアクティブクルーズコントロールが動作しない
不具合が出てしまった右側ヘッドライトを中古ヘッドライトへ交換してから【 衝突警告異常 】のエラーメッセージが出て、アクティブクルーズコントロールが動作しない状態になっておられました。
BMW専用のISTA診断機でエラーチェックしますとフロントレーダーセンサーと呼ばれるアクティブクルーズ用ECUと通信出来ていません。
右側ヘッドライトの調子が悪い上に、アクティブクルーズコントロールが動作しないという踏んだり蹴ったりな状況でした。
フロントレーダーセンサーはフロントバンパー付近に取り付けられています。
右側ヘッドライトを交換する際にフロントバンパーを脱着するのでその際に何か問題が発生したのだろうと推測。
フロントレーダーセンサーの状況が分からない為、フロントバンパーを脱着して確認するか?って考えましたが、まずはフロントグリルを取り外して手を伸ばして確認してみました。
フロントレーダーセンサーにコネクターが挿し込んでいましたが、いったん抜いて、再び挿し込んでみると【 衝突警告異常 】のエラーメッセージが消えてくれました。
アクティブクルーズ用ECUとの通信もできています。
フロントバンパーを脱着した際にコネクターの挿し込みが甘かったようですね。
念のため接点復活剤を注入して作業完了です。
2つのトラブルを短時間で一気に解決!!
ご来店時に存在していた【 衝突警告異常 】と【 ヘッドライト光軸調節異常 】という2つのトラブルをご来店当日に修理完了できました。
トラブルに対して仮説を立てて原因を探っていくという、いつもの取り組み姿勢で原因を突き止め、短時間で2つのトラブルを一気に解決できたことにより、お客様は長期間トラブルと向き合うことから解放され、修理費用は格段に抑えることができました。
今回、初めて遭遇するトラブル内容でしたが、以前の経験を活かして修理できたのはもちろんですが、新たなトラブルと向き合うことができ経験値が上がりました。
BMW専用のISTA診断機による診断結果は車両の不具合に対してとても重要な情報を教えてくれます。
その情報を活かして、経験により得たスキルによってISTA診断機だけでは見つけられないトラブルの原因を究明できるよう今後も積極的に取り組んでいきたいと思っております。