DMEチューニングしてからヘッドユニットやヘッドライトなどの不具合にお悩みでご来店。
しかしDMEチューニングではなく別のところに原因がありました。
お客様との何気ない会話からヒントを得て原因を究明しました。
まだ修理してから数日しか経過していませんのでハッキリしたことは言えませんがTVキャンセラーが有力候補です。
プログラミングしてTVキャンセラー取っ払ったのでエラーが出ることなく乗ってもらっているはずです。
車両情報
車種 | BMW 4シリーズクーペ ( F82 ) M4 |
初年度登録 | 2014年 |
都道府県 | 東京都 |
ヘッドユニット不動やヘッドライト異常のトラブル修理作業
DMEチューニングしてからヘッドユニット不動やヘッドライト異常のトラブル発生!?
8月にDMEチューニングされて数日後からヘッドユニット不動やヘッドライト異常のトラブルが発生してお困りの状況でご来店です。
ご来店いただいた時点でディスプレイには警告メッセージは出ていません。
しかし、ヘッドユニットコントローラーのジョグダイヤルが回転させても動作していません。
ジョグダイヤルの上下左右の動きには反応しています。
専用診断機でエラーチェックしてみるとエラーが多数記録されていました。
MOSTやK-CAN2の通信に関するエラーやヘッドライトのエラーなど多くの不具合が発生しているようです。
お客様に不具合状況を詳しく聞いてみると、エンジンを始動させてしばらくは問題無い状態だが、しばらくするとコントローラーが動作しなくなり、ヘッドユニットがブラックアウトしたり再起動したり、ヘッドライト異常の警告メッセージが出てくるとのことでした。
M4(F82)の挙動がおかしくなってしまうのはエンジン始動から15分後や30分後や1時間後って感じでタイミングは色々。
とりあえず、専用診断機でエラーを消去してみると、ECUはオールグリーンで異常の無い状態になりました。
DMEチューニングされて数日後から不具合が出始めたということで、DMEチューニングを疑ってしまいがちですが、私の見解ではDMEチューニングと今回の不具合とは因果関係が無いと考えています。
そのためエンジンを始動させてどのタイミングで異常が発生するかを確認してみました。
しかし、約1時間エンジンを掛け続けましたが不具合は発生せず・・・。
これでは原因が究明できません。
エラーを消去しただけで不具合が解消したとも考えられません。
原因として考えられることが思いつかないので、プログラミングすることにしました。
というのも車両製造時からプログラムのバージョンが上がってなかったからです。
ディーラーでも原因が分からない時は、とりあえずプログラムのバージョンを上げて様子見るって戦法なので、真似はしたくなかったけど、他に手が思いつかないのでプログラミングを実施しました。
今回は、私にとっては珍しくISTAでプログラミングです。
プログラミングには時間を要しますので、その間に他店でコーディングしてあった内容をバックアップしていたデータから解析します。
というのも、プログラミングするとコンピューターのデータはバージョンアップされ日本仕様に初期化されます。
コーディングしている内容が元に戻ってしまうので、コーディングしてあった内容を再施工するために調べました。
っとそこでヘッドユニットのプログラミングが出来ない・・・。
やはりヘッドユニットがダメなのか・・・。
そう思ってたらISTAの再チャレンジでヘッドユニットのプログラミングが開始されました。
ディスプレイにもプログラミングの表示が出ています。
第3世代のヘッドユニット ( NBT ) はプログラミング時に壊れてしまうこともあるので、無事成功を祈ります。
順調にプログラミングが進んでくれて無事にすべてのコンピューターのバージョンが上がってくれました。
お客様へプログラミングが完了した旨をお伝えしつつ、コーディング内容の確認で打ち合わせを行ないました。
私の解析通り、ほとんどの内容を漏れなく調べることができていました。
しかし、1点だけ異なった内容がありました。
それはTVキャンセルです。
バックアップしていたデータではTVキャンセルのコーディングはやってなかったのですが、走行中にTVを見ることができていたようです。
ここで閃きました。
TVキャンセラーが原因だっ!
お客様はTVキャンセルはコーディングで行なわれていてTVキャンセラーが装着されているとは思っておられません。
そこでヘッドユニットを取り出してみると、やはりTVキャンセラーが現れてきました。
ヘッドユニットやヘッドライトやコントローラーは全てK-CAN2で通信していることはコントロールユニットツリーで確認できていたのですが、K-CAN2通信でエラーが出てしまう原因が掴めていませんでした。
しかし、TVキャンセラーはK-CAN2通信に割り込ます商品なので、誤信号を出してしまっているのではないか?というのが不具合原因の有力な候補として躍り出てきました。
なので、TVキャンセラーを取っ払って不具合原因の有力候補をK-CAN2通信から消し去りました。
ご来店時だけ不具合を確認できたのですが、それ以降一切不具合が顔を出さないないので、今回の修理作業はコレで完了。
車に乗ってもらい様子を見ていただくことになりました。
それから、数日が経過していますが、今のところ連絡はありません。
なので、不具合は出ておらず、快適に乗っておられるのでしょう。
これで問題無ければDMEチューニングに再チャレンジもできますね。
そして、コーディング施工です。
プログラミングしたのでコーディングしてあった内容は全て元に戻ってます。
TVキャンセラーじゃなくTVキャンセルをふくめコーディングいたしました。
走行中にナビ操作やテレビ視聴を可能にするTVキャンセルコーディング。
定番のデイライトコーディング。
デイライト時は眉毛部分を消灯させるコーディング。
エンジン始動時にアイドリングストップをOFFにするコーディング。
後退時の助手席ドアミラー下降角度を変更するコーディング。
バックアップしていたデータと同じデータにしています。
ドアロック時のドアミラー格納時間を変更するコーディング。
バックアップしていたデータは0秒でしたが0.5秒に変更しています。
運転席シートが後ろへスライドするイージーエントリーシートのコーディング。
TVキャンセラーの不具合は、お客様としては思いもよらないことだったでしょう。
中古車として購入されたおクルマで、前オーナーがTVキャンセラーを装着していれば、TVキャンセラーを装着したという認識はありません。
たまたま、バックアップしたデータからコーディング内容を確認し、それをお客様にお伝えした際の会話から気付けた内容でした。
何気ない会話の中にヒントは隠させているもんですね。